無欲、それは苦しい

26歳OL一人暮らし

10年ぶりに腐女子界を見たババアの感想

10年前のインターネットではpixivという便利なものは無かった。

 

10年前の流行ジャンルはテニプリだったと思う。当時はまさかテニミュが成功して、ここまで息の長いコンテンツになるとは思わなかった。当時の私は、「〜同盟」や「〜サーチエンジン」といったリンク集をひたすら漁って検索するしかなく、インターネットを夜明け前まですることも多かった。他にも周辺の友人からサイトを教えてもらう、なんてこともザラ。インターネット上に広まった情報を見るのではなく、インターネットのどこかに落ち込んでしまった情報の金鉱を掘り当てるように、時間をかけて検索して検索して情報収集していた。

 

くそむかつくことに10年前のインターネットでは、topからコンテンツに入るページを隠すという、UI無視なオレオレUIが横行していた。tabキーをクリックしまくって、クリックできる部分は無いか必死に探させるという鬼畜の所業。過去の腐女子のインターネットとは、作者(腐女子)が圧倒的優位であり、作者の自己表現の名を借りた二次創作を崇高な眼差しで見守るしかなかった。オレオレUIであろうがオレオレコンテンツであろうが、それをバッシングするなんて考えられない。というのも、他人様のページに無断であがらせていただいている、拝見しているという感じが非常に強かったからだ。

 

10年前には謎の「ネチケット」というインターネット上でのマナーを切々と説いたページが存在していた。topで読まされることが多く、わかったやつだけページに入っていいというページ構成だ。作者様〜と崇める風潮はここから起こっていると思う。

 

さて、そんな石器時代で止まっている私は無職を機に、インターネットを本気で楽しみ始めた。そこでpixivにぶちあたる。pixivは成功したインターネットサービスとしか見ておらず、実際にpixiv上でコンテンツを作っている・読んでいる腐女子カルチャーからは、とんと離れていたのだ。

 

pixivを最初webから見ていたが、その読みにくさやめんどくささからアプリを落とす。ここで沼にはまってしまったのだ。過去に朝までインターネットしていた中学生が大人になってそれを止められるかと言えば否、アプリなんぞ落としたら隙間隙間の時間をぬってでも読み始めてしまった。だっておもしろいんだもん!

 

pixivにて10年ぶりに腐女子界を見て衝撃を受けた。

 

それは作者がpixiv内で評価されるカルチャーである。今まで絶対的神であったものがイベント以外でも常に評価される、という文化に変わっていた。また、漫画や小説の最後に「アンケート」をつけて、書籍化するか否かを判断するというのも見た。なんと合理的なんだ!他にも、作品ごとにコメントをつけられ、「通販してください!」など書けば作者が通販をしてくれるという双方向性のコミュニケーションが見られた。あんなに自分のコンテンツを見せたがらなかった腐女子どもが、今や自分から見てもらう場に、評価される場に作品を公開し、自分から「本にしてもいいかな?」と聞いてくる始末。ババアにとっては相当のカルチャーショックでした。

 

また10年前のサーチエンジンでは検索しきれなかった検索も可能になっている。作品ごとにつけられたタグをたどっていくことで、類似した作品を読める。キーワードを入れて検索するよりも楽だし、類似性・親和性の高い作品を読めることで検索に関して非常に満足度が高い。現代っ子てこんな便利な世界でいるんだ……と愕然とした。25歳のババアは本気で膝をワナワナさせた。

 

他にもババアにとって「尊い…」だとか「振り込まさせてください!」というコメントは非常に若く、甘酸っぱくて第二の青春を感じさせるものがある。「あなたが神か」等のコメントがおそらく脊髄反射で出ているのだろうが、あれはおそらく「かわいい」レベルの反射動作。現代の腐女子の感嘆が「尊い…」「あなたが神か」であることをババアは学んだ。神聖な存在に対して「通販してください!」と言える感覚はババアには無かったので、その言葉の軽薄さに「おお……」となることは多かった。

 

過去のインターネットがいいとは、ちっとも思わない。過去になっても今になっても、腐女子たちは彼女たちなりのルールがいまだにあり、それを守っている。その謎のルールで不特定多数を縛るこの文化はこれからも続いていくんだろう。尊い……。